健康被害が… 元女子高生の思い アメリカ同時多発テロから20年

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およそ3,000人の命を奪ったアメリカ同時多発テロから、11日で20年を迎える。

多くの市民や消防士が、心の傷などの後遺症と闘った20年でもある。

不十分な調査のために、テロに屈しないアメリカの象徴となり、健康被害を受けた、当時高校生だった女性を取材した。

崩れ落ちる世界貿易センタービルから逃げる人々。
中には、多くの高校生とみられる若者の姿も。

まさに、川沿いの道を同じように必死に走っていた当時17歳の女子高校生がいる。

ライラ・ノードストロムさん「学校のこちら側の出口から避難した。正面玄関はほこりが充満していて、こちら側は問題なかったから」

ツインタワーから、わずか800メートルのところにある高校に通っていた、ライラ・ノードストロムさん(37)。

授業中、教室の窓から衝突した飛行機が見えたという。

ライラさん「(学校から避難する際)大きな煙の雲が近づいてきた。その日は、とにかくその雲から逃れることだけを考えていた」

全速力で走って逃げたというライラさん。
その日履いていたスニーカーは、ほこりやがれきで汚れ、白くなっていた。

校舎はその後、遺体安置所などとして使用され、授業が再開したのはおよそ1カ月後の10月9日。

未曾有(みぞう)のテロ被害を受け、悲しみに打ちひしがれたアメリカにとって、現場そばの学校再開は、日常の再開、さらには「テロに打ち勝つ強いアメリカ」の象徴として注目を集めた。

しかし、この学校の再開が早すぎたため、生徒が健康被害を受けていたことが、後に判明した。

ライラさん「撤去作業の中、高校最後の1年を過ごした」

学校再開に先立ち、環境保護庁は、周辺の空気や水は安全と宣言。

しかし、学校が再開しても現場からは煙や炎がやむことはなく、異臭が続いた。

学校再開後、持病だったぜんそくの症状が悪化。
同級生も体調不良を次々と訴えた。

その後、国は、学校再開に先立って行った調査は不十分だったと認め、当時の幹部も謝罪している。

ライラさんの目には、当時の政府の判断と、現在の新型コロナウイルスをめぐる議論が、重なって見えることがあるという。

ライラさん「コロナ禍でも、当時の学校再開を正当化する考え方が、感染対策がされていない学校への登校を正当化するために使われている」

テロ以降の長い時間を、見えない恐怖と闘ってきたライラさんは、20年前に大人たちが起こした間違いが、現在の新型コロナへの対応でも見られると指摘している。

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