同時テロ20年・・・アフガン元大臣語る“米国の失敗”(2021年9月12日)

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同時多発テロから20年、アフガニスタンでは20年前にアメリカから追われたタリバンが再び政権を樹立しました。なぜ、アメリカは失敗したのか、崩壊したアフガン政権で大臣を務めた人物を取材しました。

▽アメリカ同時多発テロ20年
1機目の旅客機がビルに衝突した午前8時46分に捧げられた黙とう。
日本人24人を含む2977人が犠牲となりました。
このテロをきっかけ始まったアフガニスタンでの20年に及ぶ戦争は先月末に幕を閉じました。しかし、アメリカはテロとの戦いからまだ抜け出せずにいます。
(夫が犠牲となった杉山晴美さん)「武力だけで解決しようと、力で解決しようとしても、結局は前進するどころかちょっと後退したところもあると思うので、じゃあ実際前に進むにはどうしたらいいのかってことを、もう一度考えてほしいなと思います」

▽“米史上最長の戦争”の果て・・・再びタリバン政権樹立
テロ当時、陣頭指揮を執ったブッシュ元大統領。
「9・11を思い出すこともできない若い人々に、我々の経験した複雑な思いを伝えるのは難しい。危険を顧みない軍事作戦は20年にわたって続き、議論を呼んだ。しかし、一つ確かなことがある。兵士は米国の信念を貫き、抑圧された人々の権利を向上させた」
(当時のブッシュ大統領)「ビルを破壊したテロリストたちは、今に我々の怒りを知ることになる」
アメリカはテロの首謀者らを匿ったとしてアフガニスタンに侵攻。当時のタリバン政権を崩壊させました。
しかし、テロとの戦いはアメリカ史上最長となる泥沼の戦争に発展。
「対テロ戦争」の費用は日本円にして880兆円、米軍の死者数は7000人に上ります。

先月末、米軍が撤退したアフガンでは再びタリバンが政権を掌握。20年前の「恐怖支配」の再来が懸念されています。なぜアメリカは失敗したのでしょうか?

▽ピザ配達人は「アフガン元大臣」
自転車にまたがりピザを配達する男性がいます。実は、3年前までアフガニスタンで大臣を務めていた人物です。
(元アフガニスタン通信技術大臣 サイード・サダト氏)「”元大臣”は関係ありません。今も人々のために働くだけです」
ガニ元大統領のもと2年間にわたり通信技術大臣を務めたサイード・サダト氏。大臣時代にはアフガニスタン全土のインターネット環境を整備するなどITの発展に尽力しました。辞任した理由は「政権の汚職」に嫌気がさしたからだと言います。

(元アフガン通信技術大臣 サイード・サダト氏)「アフガニスタンではどの政権も汚職がありました。多くのプロジェクトに投資された数百万ドルのうち数千ドルのみが市民に使われましたが、残りの多くが汚職で消えていきました。私は国民のために予算を使おうとしましたが、大統領とは意見が食い違い、圧力をかけられたのです」
「テロ根絶」のため“アフガニスタンの民主化”に乗り出したアメリカ。多額の資金を投じ親米政権が誕生しましたが、すぐに汚職がはびこり国民の信頼は失墜していったと話します。
「民主主義を導入するならその国を理解する必要があります。誰に対しても力で民主主義を持ち込もうとするのは民主主義じゃない。民主主義というのは人々に受け入れてもらうことが大事なのです。」

安全を求めドイツにやってきたサダト元大臣。今は時給15ユーロで働いていますが、今後はヨーロッパとアフガニスタンの橋渡しを行うような仕事ができればと考えています。
「アメリカのアフガニスタン占領は大きな間違いでした。数兆ドルを浪費し、何十万人ものアフガニスタン人が死んだ、そして何千もの米兵や同盟軍も死んでいきました。残ったのは“混乱”だけです。アメリカがこの失敗から学んでくれると信じています。」

▽“アメリカの失敗”予見した日本人
アフガンの人道支援に尽くした医師の中村哲さん。実は生前、アメリカの“失敗”を予見していました。
(ベシャワール会 村上優会長)「中村先生はずっと前からおっしゃっていました。たぶんアメリカはいつか出ていくだろうと、出ていかざるを得なくなるだろうと」

現在、大規模な干ばつに見舞われているアフガニスタン。食糧難で飢えに苦しむ子どもが増えているといいます。
(ペシャワール会 藤田千代子さん)「今年は灌漑用の井戸の水位が下がってしまって、畑がいま どんどん干上がりつつあります」
こうした荒れ地を蘇らせるため医師でありながら自らショベルカーを操作して用水路を建設した中村哲さん。
(中村哲医師)「水さえあれば(植物は育つ)。砂を数十センチどけると、耕作に適した土が出てくる」
2年前、何者かに銃撃されて死亡するまで、40年近くにわたりアフガン支援に尽くしてきました。

NGOペシャワール会は、カブール陥落後に支援事業の停止を余儀なくされましたが、地元からの要望を受け今月2日に農業支援を再開しました。
看護師として、およそ20年にわたり現地で中村医師を支えてきた藤田さん。いま、現地の診療所では新型コロナの疑いで酸素吸入が必要な患者が急増していると言います。
(ペシャワール会 藤田千代子さん)「医療の方も薬が9月分までは購入しているがこれが切れてしまうと、薬品購入ができなければ診療もできなくなるので心配」
ペシャワール会はカブール陥落のわずか6日後に医療支援も再開しています。混乱の中でも、支援を継続することが“中村さんの遺志”だったといいます。
(ペシャワール会 村上優会長)「『事業を続けることが大事』『行動が大事』とおっしゃっていた。『たぶんアメリカがいつかは出ていくだろうと。出ていかざるを得なくなる』と。
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Posted by chobi