事故後「変わると信じていたが・・・」今も危険な通学路(2021年10月10日)

ANNnewsCH

6月、千葉県八街市。
帰宅途中だった小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、男子児童2人が亡くなりました。

住民
「(事故現場は)安全な道ではなくて、ガードレールでもあったらまたちょっと違ったのかなとか・・・」

現場は以前から「危ない」と指摘されていました。
全国には危険な通学路が数えきれないほど存在。
痛ましい事故は何度も繰り返されてきました。
2011年、栃木県鹿沼市で登校中の児童にクレーン車が突っ込み、6人が亡くなり、2012年京都府亀岡市でも、児童らの列に車が突っ込み、3人が亡くなりました。
私たちは通学路に潜む危険とその対策を取材。
これ以上子どもを犠牲にしないために、何をすべきなのでしょうか。

▼八街市の事故後も変わらない「危険な通学路」

仁科健吾アナウンサー
「埼玉県所沢市の七曲り通りです。ガードレールのない歩道を小学生たちが登校しています。そのすぐ横を車が走り抜ける形になっています。」

いくつものカーブが連続する通学路、その名も「七曲通り」。80人以上の児童が利用していますが、東京方面への抜け道にもなっているため、多くの車とすれ違います。

仁科健吾アナウンサー
「音はするんですけど、いつ来るかわからない不安があります。」
「バスが横断歩道に乗り上げる形で停車しました。横断歩道の半分くらいを覆ってしまっています。」

横断歩道の利用者がバスの影から出てくる形となるため、国土交通省が「危険度A」と判定したバス停もあります。

保護者・杉田まどかさん
「朝心配ですよ。本当は私も仕事せず子供についていたいと思いますが、現状みなさん難しいので・・・。オレンジのポールを最低全部付けて欲しいと思いますし、本当はガードレールが欲しい。」

カーブに設置されたポールの中には、根元が一部裂けているものもありました。

杉田まどかさん
「定期的に交換はしてくださっているので・・・」
Qでもこれで守れる感じはしないですよね?
「心配ですよね。」

杉田さんは今年3月、保護者84人の署名を集め、所沢市議会に安全対策を求める請願書を提出。
すると、全会一致で採択されました。しかし・・・

杉田まどかさん
「具体的に安全になったと言われる対策はできていないです。」

現時点で改善の可能性があるのは、バス停の移動とダイヤ変更だけ。
所沢市はこれまで鏡や看板などを設置してきましたが、「ガードレールは道幅が狭いため難しく、通学路の変更も防犯上の理由から難しい」との認識を示し、八街市の事故後もその考えは変わらないままです。

杉田まどかさん
「私は八街の事故を受けて何か変わると信じていたんですが、現状ガードレールもオレンジのポールも増えていないので、いやそこは何とかならないのかなってずっと思っています。」

▼交通量が減らない「狭い抜け道」

続いて取材したのは、横浜市都筑区。
ここにある危険な通学路は・・・

仁科健吾アナウンサー
「いま車が来ました。大人でもこの距離は怖いです」

車1台通るのがやっとに見えるこの細い道路。
保護者の付き添いが欠かせません。

山口みなみさん(小5)
「車が来ているとちょっとヒヤッてします」

決して通りやすいとは思えないこの道をなぜ頻繁に車が通るのでしょうか?

保護者・山口みゆきさん
「(朝の)時間帯の交通量はトラックが通ることもあるし、色んな車が通ります。大通りに抜ける抜け道にもなっています。」

細い通学路の先は幹線道路に繋がっていて、少しでも朝の渋滞を避けたい車の抜け道になっているというのです。せめてもの対策として、地元の方の協力のもと、道の塀に注意を呼びかける書き込みを行っていますが・・・

山口みゆきさん
「やっぱり事故が起きてからでは遅いと思う。傘を差した雨の日なんかは尚の事幅が狭くなるので・・・」

▼子供を守るために必要な対策は?

仁科健吾アナウンサー
「八街市は事故を受けて、速度制限の標識や道路を狭める「狭さく」を設置しました。」

6月の事故を受け、八街市は車のスピードを落とすための対策や、大型車両の通行止めを実施しています。
なぜ、こうした対策を事前にできなかったのでしょうか?

八街市・北村新司市長
「順次、八街市の全体の中で考えながら通学路整備を行っていて、あの地区については本当に申し訳なかったと思っているが、少し措置遅れた。」

政府は八街市の事故を受け、公立小学校の通学路の総点検を指示しました。
すると、驚きの結果が。千葉県内だけでも、危険な場所がおよそ3500か所にのぼりました。
対策のためには、その優先順位とコストを考える必要があるのです。

仁科健吾アナウンサー
「八街市の事故の現場近くには、車の減速を促すための段差が設置されています。」

ここ数年、コスト面でも期待されている対策が、この「ハンプ」です。
高さ10センチで、スピードを出した車ほど大きな衝撃を受ける仕組みです。

人と車が衝突したときの死亡率は、時速30キロまでは低いまま。
しかし、時速30キロを超えると急激に上昇するというデータがあります。
八街市の事故では、当時、時速56キロで走行していたとみられています。

「ハンプ」の有効性について専門家は…

埼玉大学大学院 久保田尚教授
「ガードレールを作ったりすることに比べれば「ハンプ」のコストははるかに小さい。一方で速度を落とす効果は確実にあるし、(道路に)色を塗るのとは違い「ハンプ」の効果は持続する。非常にコスパがいいと思う。」

▼「ハンプ」設置で効果を上げている通学路

横浜市・緑区では、3年前、「ハンプ」などを複数設置したところ、車の平均速度がおよそ7キロ低下。
横断歩道にも、ある工夫がしてあります。
形状は「ハンプ」と同じ。つまり、「ハンプ」の10センチ盛り上がった部分に横断歩道を作ってあるんです。
ドライバーはこの段差を意識して横断歩道の手前でスピードを落とすため、そのまま一時停止して児童に道を譲ってくれる場面も増えたといいます。

6年前から登校児童を見守る斎藤利雄さん
「(横断歩道の)位置を高くしたので、ドライバーの視線から渡る人たちが見易くなった感じで、一旦止まる率が増えたのでスピードもなくなった。今はだいぶ安心な道路になってきた。」

▼通学路の危険個所を親子で共有

ただし、無数にある危険な通学路にすぐに「ハンプ」を設置することはできません。
そこで、「今、自分たちでできることを」と動き出している保護者たちもいます。
石川県金沢市。通学路で児童が立ち止まるように足跡マークを塗っていたのは、その名も「おやじの会」の皆さんです。
八街市の事故の影響もあり、通学路の危険箇所を子ども達と地図上にピックアップしました。

父親「通学路で一番危険なのはここの交差点やな?」
子供「ここで信号無視する人がおる。」
父親「信号無視してる人がおる!?」

学校や地元の警察などとも連携して、危険な場所100か所以上をペンキで塗りました。
今後は作成した地図を来年度の新入生に配布できるように活動していく予定です。

西小おやじの会・黒田裕也さん
「地域の方々とも危険な位置を地図で確認できているので、気付いた所とかどんどん声を上げていけたらなと思っている。」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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Posted by chobi