台風8号被害 北朝鮮が特番 「宣伝車」道路で立ち往生

FNNプライムオンライン

「南浦(ナムポ)市から台風8号の状況についてお伝えします」と、冠水した道路を背に現場の状況を伝えるのは、北朝鮮のテレビ局、朝鮮中央テレビのリポーター。

朝鮮中央テレビ・男性リポーター「現在、南浦市は、台風8号の影響で、このように南浦市内の各地の道路が冠水し、交通がまひした状態です」

沖縄付近を通過し、東シナ海を北上していた台風8号。

韓国の気象当局によると、午前5時半ごろ、北朝鮮の黄海道・甕津(オンジン)半島付近に上陸した。

朝鮮中央テレビ・男性リポーター「台風が近づくにしたがって、風が強まり、屋根の上の鉄板が崩れています」

台風の被害に遭った北朝鮮西部の街・南浦では、街頭での宣伝活動にあたる宣伝扇動車が冠水した道路で立ち往生していた。

北朝鮮・南浦市の住民「台風は、予想より1時間半ほど早く到来しました。南浦市では、この非常事態に対処すべく、住民の移動をすべて止めました」

さらに台風が上陸した別の街では…。

女性アナウンサー「強風により、街路樹が根元から倒れたり抜けたりし、電柱も折れました」

台風が接近していた平壌(ピョンヤン)の様子。
傘をさしたリポーターは…。

男性リポーター「台風8号が平壌市に接近しており、風が強まっています。ご覧のように、街路樹が根元から大きく揺れており、大同江の水位も上がりました」

朝鮮中央テレビは、今回、番組の合間に台風情報を随時挿入。

こうした対応について、北朝鮮事情にくわしい専門家は…。

龍谷大学社会学部・李相哲教授「異例ずくめなんですね。今回の台風に対する危機感、それの表れ」

実は、26日も異例の放送体制を敷いていた北朝鮮。

通常は、午後3時から放送が始まるが、26日は、午前9時に繰り上げスタート。

正午までのおよそ3時間に、臨時の台風情報を8回挿入した。

さらに、通常は午後10時台から11時台にその日の放送を終えるところ、26日は、深夜0時を過ぎても放送を続行。

26日の放送開始から32時間が過ぎた現在も放送が続く、異例の措置がとられている。

なぜ、これほどの対応を見せているのか。

北朝鮮メディアによると、近年では、2012年と2019年の2回、台風による大きな被害に見舞われた北朝鮮。

鉄橋は流され、住宅は水没、堤防も破壊され、農作物が台無しとなった結果、食料の供給にも深刻な影響が。

これらの経験をふまえ、金正恩(キム・ジョンウン)委員長は25日、台風の被害を最小限に食い止めるよう指示した。

金正恩委員長「人命被害を徹底して防ぎ、農作物の被害を最小限に食い止めることは、一瞬たりともおろそかにできない重大な問題だ」

国際社会による制裁が長引く中、アメリカとの交渉は膠着(こうちゃく)し、厳しい経済状況が続いているとみられる北朝鮮。

今回、金委員長自ら迅速に対応する姿勢を示したことについて、専門家は…。

龍谷大学社会学部・李相哲教授「(対策をしないと)秋以降の食糧危機、それをもたらす可能性がある。金委員長が一生懸命やっていることを住民に見せたいという狙いがあると思う」

(2020/08/28)

#金正恩

FNNプライムオンライン

アプリで最新ニュースに簡単アクセス

チャンネル登録をお願いします!